Project/Area Number |
05640359
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
大貫 義郎 名古屋女子大学, 文学部, 教授 (90022532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 太郎 九州大学, 理学部, 助手 (30128003)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 量子化 / 基本代数 / モノポール / スピン / ゲージ構造 / ユークリッド群 / 有限多様体 / 誘導表現 |
Research Abstract |
正準量子化法は配位空間が有限の系に適用することはできない。しかし数年前、代表者の大貫によって円環上の量子力学に対し正準量子化に代わる基本代数の存在が指摘された。本研究はこれを契機としてなされたもので、今後の方向を見定めるために、期間を1年に限定して行われた。以下はその成果である。 まず上記の一般化としてのD次元球面上の量子論の基本代数が導入された。その結果、すべてのDに対し、そこでの量子論にはユニタリー非同値なヒルベルト空間が無限個存在すること、特にD〓2ではスピンが自動的に現われ、また単磁極子的なゲージ構造が理論に内在することなどが見い出されて、その形もすべてのDにわたり完全に決定された。平坦な空間での正準量子化には見られなかった特徴である。その後、類似の研究が独立にLandsmanとLindenにより、少し以前になされていたことを知ったが、理論の全貌を具体的に示したのは本研究が最初である。さらに本研究においては、Diracの拘束系の理論をD次元球面上の量子論に適用したときのヒルベルト空間の構造(D=1ではユニタリー非同値なものが連続無限個、D〓2では一意的)や演算子Paの自己供役性なども明らかにされた。これに続いて、D次元球面と同相なマニフォールド上の量子論の大域的な構造も解明されつつあり、そこでのゲージ構造が抽出されて、上記の結果をさらに一般化した興味ある性質が見い出されてくる。その内容は、多様体上の量子化の構造がそのトポロジーによってのみ決定されていることを強く示唆しており、この点は今後の研究において重要な意味をもつものと思われる。また研究分担者の柏はゲージ場の量子化について新しい知見を導き、さらに柏と大貫は上記研究と経路積分の関連を検討してきている。
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