M_3H(XO_4)_2型結晶の低温相転移と水素結合
Project/Area Number |
05640367
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 瑞彦 北海道大学, 理学部, 助手 (00000878)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 強誘電体 / 構造相転移 / 水素結合結晶 / 同位体効果 / 水素結合ネットワーク / X線構造解析 / 電子密度 |
Research Abstract |
1.K_3(SeO_4)_2の室温及び30Kにおける構造解析 M_3H(XO_4)_2型水素結合結晶は、我々が名付けた「0次元水素結合ネットワーク」をもつ物質群で他の物質に比べて低い転移点をもち,KH_2PO_4のように「H→D置換」により大きな(〜100K)転移点の上昇がある(同位体効果)他,3つの物質では「D→H置換」で相転移が消失するという極めて興味ある性質をもつ。 このM_3H(XO_4)_2型結晶においても,他の1〜3次元水素結合ネットワークをもつ物質群で我々が見出した「転移温度と水素結合距離の線形関係」が成立しているかどうかをみるため,このグループの中で最も低い転移点をもつK_3H(SeO_4)_2の室温及び30KでのX線構造解析を行った。 その結果,さきに得られた他のメンバー結晶の結果と併せ,次の結論を得た。即ち,M_3H(SeO_4)_2型結晶においても「線形関係」が成立し,「線形関係」が0〜3次元水素結合ネットワークをもつ結晶に共通するものであること。また,「線形関係」は水素結合の幾何学的特徴がH化合物かD化合物かによらず転移点を決定していることから,従来の「プロトン・トンネリング・モデル」の否定的証拠を与えるものであること。 2.KH_2PO_4(KDP)及びKD_2PO_4(DKDP)の結合電子密度の研究 上の問題をさらに発展させ,相転移機構・分極の担い手・同位体効果の起源を微視的に明らかにするため,典型的強誘電体であるKDP及びDKDPの,特に水素結合に関係した電子密度を求める試みを,水素結合強誘電体で始めて行った。現在KDP(128K)及びDKDP(230K)のデータを解析中であるが,大筋の様相が明らかになりつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)