超伝導フラーレン化合物の光学定数の温度依存性の測定
Project/Area Number |
05640380
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
片浦 弘道 東京都立大学, 理学部, 助手 (30194757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 重雄 東京都立大学, 理学部, 教授 (50086980)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | フラーレン / 超伝導 / C_<60> / C_<70> / 光学定数 |
Research Abstract |
平成5年度科学研究研費補助金を使って、まず真空蒸着装置兼反射率測定装置の改良を行った。これにより、C_<60>・K・LiFの蒸着から、反射率・透過率の測定までを真空を破ることなく、全て真空槽の中で行うことが可能になった。また、試料温度を変えることも可能である。現在はOリングシールを使っており、真空度は10^<-6>Torr程度であるが、アルミニウムガスケットを用いることにより、超高真空まで対応できる。 超伝導フラーレン化合物の光学測定を行うまえに、1.5から6eVの領域で、母体となるC_<60>及びC_<70>薄膜の光学定数スペクトルの測定を行ったところ、興味深い結果を得た。20から50nmまで膜厚の異なる数種類の試料を作製し、透過率・反射率から直接光学定数を求める方法で、誘電関数を見積もったところ、誘電率の実部が膜厚の増加とともに高エネルギー側で大きく減少することが解った。これは、蒸着条件(基板温度・蒸着速度)や測定環境(真空中・大気中)を変えても変化せず、膜厚にのみ依存する。一方、膜厚により虚数部はほとんど変化せず、膜厚では因果率を満たさない結果となっている。クラマス-クロニッヒ解析から、原因は反射率の減少にあることがわかった。反射率の減少は大気側の表面と基板側の表面で同様に生じていることから、単なる表面の粗さによる散乱ロスではない。これまでの我々の研究から、この領域の吸収は孤立C_<60>の吸収が双極子相互作用によって強調されて見えていることが解っている。ガスの分子分極率スペクトルから、電磁気学的な表面層の存在を仮定して計算すれば、薄膜の反射率の減少を再現することは可能だが、双極子相互作用だけでは表面層の形成を説明できない。
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Report
(1 results)
Research Products
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