1次元鎖状構造をもつテトラメチルアンモニウム化合物の構造相転移の研究
Project/Area Number |
05640386
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
下司 和男 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (70215135)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 有機金属化合物 / テトラメチルアンモニウム / ハロゲン / 誘電体 / 高圧物理 / 相転移 / 相平衡 |
Research Abstract |
N(CH_3)_4MnCl_3(TMMC)と同型の結晶構造をもつN(CH_3)_4MnBr_3,N(CH_3)_4NiBr_3,N(CH_3)_4CuCl_3等の単結晶を、酸性化した水溶液から育成した。また、構造相転移に対するN(CH_3)_4イオンの運動の役割を明らかにする目的で、重水素化結晶N(CD_3)_4MnCl_3,およびN(CH_3)_4イオンをNH_3CH_3イオンで置換したNH_3CH_3-CdBr_3の単結晶の育成を試み、誘電測定や中性子回折に十分な大きさの結晶を得ることが出来た。これらの結晶について誘電測定およびACカロリメーターによって、従来知られている相転移の他に、いくつかの新しい相転移の存在を見出した。複雑な相転移系列を示すことが知られているN(CH_3)_4CuCl_3では、室温以下の各相が焦電性を示し、自発分極の一部を外部電場によって反転することが出来ること見出して、この物質が強誘電性である可能性を示唆した。また、新たに約250Kに誘電異常を伴なう相転移を見出した。この相転移は、N(CH_3)_4イオンの配向とCuCl_6イオンのヤーンテラー歪の秩序無序過程の関係すると考えられる。重水素化結晶N(CD_3)_4MnCl_3の重水素化による相転移温度の変化は、検出されなかった。これらの結晶の構造相転移に対する圧力効果の測定を行った結果、N(CH_3)_4MnBr_3,N(CH_3)_4CdBr_3,N(CH_3)_4NiBr_3の相転移温度は、いずれもほぼ同程度の値の正の圧力係数をもつのに対して、メチルアンモニウム化合物NH_3CH_3CdBr_3の相転移温度は負の圧力係数をもつことが知られた。混晶の研究では、N(CH_3)_4Mn_1…_xCu_xCl_3について、Cu濃度-圧力-温度の3次元相図を測定した。この結果,N(CH_3)_4MnCl_3の圧力誘起相と微量のCuの添加によつて生ずる中間相が同一のものであることが明らかになった。今後、この物質群の複雑な相転移の機構を統一的に理解するため、高圧および誘電性の測定を継続発展させるとともに、X線および中性子回折による構造解析を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)