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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
分子線蒸着法を用い,MgO基盤上にCuCl及びCuBr薄膜の結晶成長を試みた。 高速電子線回折像及び4軸x線回折の測定より、CuClの(110)方向は基盤のMgO結晶の(110)方向に平行に成長するのに対し、CuBrの(110)方向はMgO結晶の(010)方向と平行に成長することを見いだした。また界面での対称性から、各系は4つのドメインから成ることを明らかにした。CuClとCuBrの5%の格子定数の相違が、初期核と基盤表面との相対的原子配置を変化させた結果であると考えられる。 またCuCl薄膜の光学吸収スペクトルの膜厚依存性を測定した。 300Aより薄い試料では、励起子の重心運動の閉じ込めによる,新しい光遷移選択則が見いだされた。この選択則の特徴は, 1.二次元閉じ込めにより,重心運動が量子化された励起子の,量子数nが,奇数の時のみ光遷移は許容となり,偶数の時は禁制遷移となる。 2.光吸収の振動子強度は量子数nの2乗に逆比例する。であり,ボゾン系の量子閉じ込め効果として,一般的なものである。 この選択則は、試料が厚くなると、励起子ポラリトンの干渉効果が強まり、乱される。更にCuCl薄膜の縦波励起子に対する2光子吸収スペクトルが,膜厚の減少と共に急速に広がる現象、励起子吸収帯において、自己回折光に現れる周期構造等について現在解析を進めている。
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