新ボソン局在状態での量子ホール抵抗の普遍性:2次元高温超伝導体薄膜単結晶での実証
Project/Area Number |
05640396
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丹田 聡 北海道大学, 工学部, 助教授 (80217215)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 銅酸化物超伝導体 / スケーリング / 絶縁体 / アンダーソン局在 / ベータ関数 |
Research Abstract |
現有設備の分子線エピタキシー(MBE)装置により、Nd_<2-χ>Ce_χCuO_4単結晶薄膜を作製する事に成功し、その単結晶薄膜を用いることにより、高温超伝導体系において初の新しいボースグラス相を発見することが出来た。同様にその薄膜を用いて超伝導-絶縁体転移における臨界面抵抗の値がh/4e^2=6.45kΩと普遍的な値を示すことを明らかにした。さらに、超伝導-絶縁体転移から「離れた」絶縁体側における弱局在及び強局在に関する実験結果にスケーリング理論を適用した結果、ベータ関数に全てスケールされることが明らかになった。この実験的スケーリング関数の振る舞いは、コンダクタンスgが大きくなると-1/g、gが小さくなるとlog(g)という結果が得られ、Orthogonal symmetryを持つ系であることの直接の証明となった。つまり、この系は時間反転対称性が最初から破れているのではなく、通常のFermi liquid(乱れを伴う)であることを主張している。最近の、高温超伝導体の機構解明に対するエキゾチックな理論としてエニオンの理論があるが、これはそもそも時間反転対称性が破れている基底状態をもっているので上記の結果から、この理論は完全に否定された。また、逆にβ関数の存在そのものは、数値計算等で証明はされているものの実験的にはこれまで確認されていなかった。この実験によってβ関数の存在は確固なものになった。以上によりこの系は2次元のフェルミ液体状態で記述でき、Orthogonal symmetryをもつ。そしてβ関数は存在する。これが本研究の結論である。 今後は、Nd系に限らずほかの層状化合物の超伝導体(例えばNbSe_2)や理想的なジョセフソン接合整列などの実験が大変興味深い。また、ボース・グラス相での渦糸の動的現象や波動性をもつ渦糸同士の干渉効果が、果して存在するのかと言った根本的な問題も重要になるであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
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