Project/Area Number |
05640399
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 固体^3He / 一次相転移 / 核磁気相転移 / ヒステリシス |
Research Abstract |
一次相転移をして状態を変えるとき、低温で如何にして臨界核が形成され転移が進行するのか?最近ビッグバンから原子核崩壊まで様々な系でこのマクロな量子トンネル現象の研究がなされている。物質の一次相転移にともなうヒステリシス現象も、マクロな量子効果との関連で重要な物理現象である。さて、固体^3Heは基底状態でのゼロ点振動に原因する多体の直接交換相互作用により、1mKで核磁気相転移する。その磁気的性質の多くは、最近の研究で明らかになった。特に高磁場秩序相から常磁性相への転移は、一次か、二次かで長く議論されてきたが、我々が比熱、融解圧、定積圧の測定から主張してきたように一次である事がはっきりしてきた。しかし、どの転移も一次であるにもかかわらず、ヒステリシスの報告はなかった。特に固体^3Heは高純度な試料が得られ、交換相互作用と双極子相互作用のみが働く最も単純な系である特徴を持つ。我々は、不可逆現象を調べるために、白金NMR温度計が周囲の磁場の影響をうけないようにし,定積圧力計の感度を3倍に上げ,試料に磁場を加える超伝導マグネットを改良した。そして異常な相線の勾配と圧力のトビを観測した。この現象は、システリシス現象として理解できた。今後も定積圧力のさらに詳しい測定とNMR測定の併用により、このヒステリシス現象を解明する。固体^3Heの表面エネルギー、臨界核の大きさの決定、さらに転移進行の問題へ発展させていく。
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