Project/Area Number |
05640402
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 章 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40166989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00187981)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ブリルアン散乱 / タンデムマルチパス型分光器 / スピン波 / 反強磁性結合多層膜 / フェリ磁性多層膜 |
Research Abstract |
東北大学科学計測研究所付属機械工場で作成した(3+3)パスタンデム型ブリルアン散乱装置を用いて、金属磁性多層膜のスピン波測定に重点を置いて研究を進めた。特に、磁性多層膜に特有の人工的磁気秩序構造とスピン波スペクトル構造の関係を明らかにすることを目的とした。磁性多層膜試料は東北大金研でrf-スパッタ法及びイオンビームスパッタ法で作成した。 反強磁性結合Fe/Cr多層膜では、外部磁場により各Fe層の磁化を強磁性的に揃えた状態では、1組のバルクスピン波ピークのみが観測される。一方、2枚のFe層の磁化が外部磁場に対し互いに傾いたキャント状態では、磁気的ユニットセルの大きさの増加に対応して、2組のスピン波ピークを観測することが出来た。この結果は、反強磁性状態の存在を光散乱により実証出来ることを意味している。 長周期フェリ磁性Co/Gd多層膜のスピン波を、295Kと79Kで測定した。スピン波振動数の磁場依存性を測定し、理論計算と比較した結果、295KではGdは常磁性状態にありCo層のみがスピン波に関与していることが分かった。一方、79Kのスピン波スペクトルは295Kのスペクトルと大きく異なっており、フェリ磁性構造を反映している。フェリ磁気秩序構造を考慮した現象論的計算により、定性的にではあるが、観測されたスピン波振動数の分布を再現することが出来た。CoとGdの界面における交換相互作用を考慮した、より詳細な計算が進行中である。 強磁性/反強磁性多層膜(PtMnSb/CuMnSb)の低温におけるスピン波測定は、Heクライオスタットの真空漏れのため、年度内に完了することが出来なかった。 以上の磁性多層膜の研究に加えて、金属多層膜の表面弾性波の測定、アモルファス磁性合金のスピン波と表面弾性波測定も行った。
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