Project/Area Number |
05640431
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北澤 英明 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (00195257)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 重い電子系 / セリウム3元系化合物 / 近藤効果 / 反強磁性 / 結晶作製 / 電気抵抗 / 比熱 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究において、六方晶PrNi_2Al_3型結晶構造をもつCePd_2Al_3は反強磁性磁気秩序と近藤効果が競合する典型物質であり、基底状態が大きな試料依存性を示すことを報告してきた。そこで、本研究では、種々の物性実験によりCePd_2Al_3の基底状態を決めている要因や磁気秩序と近藤状態との競合問題を総合的に明らかにする事を目的とした。その結果、以下の成果を得た。 1,モザイク度の少ない良質の単結晶を得るための結晶成長の条件を、ほぼつかむことが出来た。 2,多結晶試料(T_N=28K)と単結晶試料(T_N<0.9K)のAlのNQRスペクトルを見る限りでは、前者の方が線幅は広く、Alのサイトが不均一になっていることがわかった (京大との共同研究)。 3,Ceサイトを非磁性Laイオンで置換したCe_<1-X>La_XPd_2Al_3系(多結晶)において観測された、高濃度近藤系に特有な電気抵抗の温度変化、及びT_Nに対するX依存性は、典型的な磁気秩序を持った近藤物質に特有のふるまいであることがわかった。 4,Pdサイトを原子半径の小さなNiに置換したCePd_<2-X>Ni_XAl_3系(多結晶)において(金材技研との共同研究)、Xの増加とともに、T_Nや磁気エントロピー、gamma値が減少していくことを観測した。これは単位胞体積の減少による伝導電子とf電子間の交換相互作用の増大したせいで、近藤効果がRKKY相互作用より優勢になったことを示唆する。 5,多結晶CePd_2Al_3における圧力下の比熱測定(金材技研との共同研究)が6kbarまでなされた。T_Nは、圧力の増加とともゆるやかに増加するが、5kbarを境に減少に転じることがわかった。これは、Doniachによる相図に定性的には対応している。
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