三波川帯を例とした高圧変成帯形成の熱流体力学的研究
Project/Area Number |
05640491
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 憲四郎 東北大学, 理学部, 助教授 (70004497)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高圧変成岩 / 三波川帯 / コーナー流 / 流線 / 移動時間 / 温度構造 / 速度勾配テンソル / 歪楕円 |
Research Abstract |
高圧変成岩とは、プレートの沈み込みによって50kmを越える地下深所に運ばれた海溝付加物質が、その過程で変成作用と著しい変形を被って再び地表に戻ってきたものである。三波川帯を例として、この過程を準3次元コーナー流モデルによって研究した。その結果以下のような成果を得た。 1 流線は螺旋を描き、スラブからの高さが低い付加物質ほど付加プリズムの奥部に達してから上昇する。速度ベクトルの垂直プロファイルはほぼ放物線となり、下降流と上昇流の境界は付加プリズムの高さの1/3の所にある。これらのことから、上昇してきた変成岩類は構造的中位で最高変成度となり、上下に向かって低下するという観測結果が生じる。 2 計算した変成岩類の移動経過時間と三波川変成岩類の放射年代値を組み合わせることによって、付加プリズム底面での強制変位速度として、プレートの沈み込み速度の1/10程度が与えられるべきであること、現在地表にある最高変成度の岩石は141Maに沈み込みを開始してから83〜91Ma後に現在の位置に到達したこと、変成岩類の上昇条件が満たされていた時代は102〜130Maの間であること、付加プリズム内の等温面は逆転して海溝側に倒れていたこと、などが分かった。 3 流線の各地点における速度勾配テンソルと瞬間的な歪楕円を計算した。三波川変成岩類上昇時のプレートの斜め沈み角を約20度とすると、三波川帯で観測される引き伸ばし線構造の方向と水平剪断のセンスを満足させることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)