遠洋性堆積物に記録された海洋無酸素事変とアクリタルクスの関係についての研究
Project/Area Number |
05640514
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石賀 裕明 島根大学, 理学部, 助教授 (80183002)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ペルム-トリアス紀境界 / ジュラ紀 / 基礎生産 / 大量絶滅 / 遠洋性堆積物 / 層状チャート / 有機質泥岩 / 海洋汚染 |
Research Abstract |
ペルム-トリアス系境界,下部ジュラ系Toarcian下部に含まれる黒色有機質泥岩の形成過程とこの層を挟んだ海洋環境の変遷の解明を目的として,兵庫県篠山地域藤岡奥セクションおよび,岐阜県犬山地域勝山セクションにて検討を行った.その成果の概要は以下のとおりである. 1.従来ペルム末では大きな海退が生じたとされており,これによって停滞した海域が生まれ,生物の大量絶滅が起因されたとする考えが多かった.しかし,停滞した環境で生成されたとする黒色有機質泥岩は実は高い基礎生産を反映しており,このような環境を生み出したものは海洋の富栄養化による汚染である(項目11の研究発表,Ishiga et al.,1993). 2.Toarcian下部においてはやはり海洋の拡大に伴う海面上昇と相まって,陸域から多量の栄養塩が供給され,海洋汚染が生じたことが判明した.地質時代の現象から考えられる環境の変化に要する時間は,平均的な粘土の堆積速度からすると黒色有機質泥岩の堆積は10cm(およそ数万年)は継続していた可能性がある. 4.地質学的に見ると海洋汚染によって形成されたこのような有機質泥岩(ヘドロ)の分解は堆積物として,続成の過程で行われたといえる.このことはヘドロは急速に堆積物中に埋没されることによって,海水との接触を絶ち,再び海洋を汚染する機会を減少させていったといえる.これらの知見は現在の海洋汚染の発生のメカニズムとその解決のためには重要といえる.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)