5配位シリコンを含むケイ酸塩結晶の合成と分光学的研究
Project/Area Number |
05640526
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神崎 正美 東京工業大学, 工学部, 助手 (90234153)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 5配位シリコン / 分子軌道法 / 高圧実験 / NMR分光 / 結晶合成 / 結晶構造 |
Research Abstract |
本研究ではCaSi_2O_5系に的を絞り、高温・高圧相平衡実験を行なった。実験の結果をまとめると、1200度においては8GPa以下では、コーサイトとCaSiO_3-III相が安定であった。また10GPa以上の圧力ではtitanite構造を持つCaSi_2O_5相が安定であった。8GPaにおいて合成した試料は、titanite相と未知相の混合物であった。粉末X線回折実験により、titanite相の回折ピークを除いた回折パタンは、三斜晶系で全て指数付け可能であった。これから未知相の組成もCaSi_2O_5であることが推定された。未知相は低圧相とtitanite相領域にはさまれた狭い安定領域(2GPa)を持つ。 未知相の単相試料を得ることは困難であった。そこでtitanite相を含む混合相試料についてNMR測定を行った。titanite相の構造は既知であり、未知相に起因するピークを同定できた。未知相は、-79.3と-149.3ppmの二つのほぼ強度の等しいピークを持ち、前者は明らかに4配位シリコンによるが、後者は4配位と6配位シリコンのちょうど中間領域に位置し、5配位シリコンと同定できる。つまりこの相は構造中に4配位と5配位シリコン席を持つことが分かった。 次にX線構造解析のための結晶合成を行い、100ミクロン程度の単結晶を得ることができた。この結晶については構造解析が現在進行中である。また実験と並行して、分子軌道法プログラムを使用し、5配位シリコンクラスターについての安定配置やその分光学的データを計算した。 本研究の主要目的である5配位シリコンを含む結晶の合成には成功した。今後構造解析が終わり次第、その特異な構造について結晶化学的考察を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)