マグマ性珪酸塩融体中に溶解する揮発性成分の同定、定量と火山現象への応用
Project/Area Number |
05640542
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
谷口 宏充 大阪府教育センター, 主任研究員 (70125251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 悟 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80237255)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マグマ / 珪酸塩融体 / 揮発性成分 / 熱分析 / FT-IRスペクトル / 火山現象 |
Research Abstract |
高温のマグマ中に溶解した揮発性成分に関する知識は、地球上における多様なマグマ過程を理解する上において究めて重要である。とりわけ、マグマ中に溶解しているH_2O,CO_2の溶解種の同定や定量に関する技術の開発はまず試みられなければならない事柄である。 本研究においては、いくつかの地域からのガラス質岩石を対象にして、揮発性成分に関するそれらの知識を得ようと、熱分析(DTA-TG)を行い、さらに、顕微フーリエ変換型赤外分光光度計による分析を試みた。熱分析による結果からは、温度上昇にしたがって系外に放出される揮発性成分の放出パターンと、放出温度範囲より3つの揮発性成分の存在形式が同定された。赤外線吸収スペクトルに基づくと放出された揮発性成分のほとんどはH_2Oであり、約200℃以下の低温で放出される粒子間の水(いわゆる吸着水)、〜500℃程度の温度までに放出される水で多分試料内のクラックの壁に付着していると考えられる分子状のH_2O、そしてそれより高温ではじめて放出されるOHあるいは分子状H_2Oで、ガラス中に溶解してきるものの3種類であった。 これらの内、本質的に重要であるマグマ構造中に溶解した水について顕微FT-IRによる定量とマッピングのための基礎研究も同時に行った。キャリブレーションのためにめのう、溶融石英、透明、不透明石英などの標準試料を約50mumの薄片とし、透過測定を行い、検量線を作成した。その結果、20mum程度の領域で100ppm程度までの水の定量が可能となった。いくつかの天然ガラス試料について現在も検討中であるが、たとえば、伊豆神津島の流紋岩の場合、3575cm^1付近にOHの伸縮振動による吸収帯が見られ、3400cm^1付近に分子状の水と考えられる吸収帯が観察された。スペクトルをもとに分子状水の定量を行ってみると約840ppmと計算された。これらの一連のキャリブレーション実験、実際の試料の測定結果から現在では揮発性成分のspeciesの同定と定量がほぼ実用段階になったものと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)