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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
水と岩石・鉱物が反応する場合における希土類元素の挙動にみられるテトラド効果の発現の有無や程度を水熱反応装置を用いて調べた.4種類の出発物質について,水溶液の組成,温度・圧力を変化させて実験を行い,実験終了後固相の濃度を測定し初濃度との比を見かけの分配係数とした. 1.シリカゲル(合成)-硝酸塩水溶液(含希土類元素)系(1.5Kb,350℃,1,3,14日間反応):全体のパターンは正のCe異常を示し大きくはないがテトラド効果が認められる.テトラド効果の大きさは,反応時間と特に関係ないらしい. 2.パイロフィライト組成のゲル(合成)-水溶液および0.05M硫酸溶液系(1Kb,260℃):全体のパターンはフラットないし軽希土上がりで軽希土部にややテトラド効果が認められるが重希土では認められない. 3.セリサイト組成のゲル(合成)-1M,0.5M硫酸溶液系(1Kb,280℃):軽希土上が高く,中期土で低く,重希土でやや上がるパターンを示すが,テトラド効果は認められない.0.05M硫酸溶液及び1M塩酸溶液の場合全体にフラットなパターンを示し,テトラド効果は認められない. 4.天然のろう石-水溶液及び希硫酸溶液系(1.5Kb,350℃):全体的にやや軽希土上がりのパターンを示し,かなり大きいテトラド効果が認められた. 以上のような知見が得られたが,テトラド効果発現の原因については今後さらに検討する必要がある.ゲルの組成をさらに複雑にし,天然物に近づけることが一つのアプローチであろうと考えられる.
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