分子クラスターの構造解明のための誘導Raman-紫外二重共鳴分光法の開発
Project/Area Number |
05640557
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江幡 孝之 東北大学, 理学部, 助教授 (70142924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 直彦 東北大学, 理学部, 教授 (70004447)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 分子クラスター / 誘導ラマン / 二重共鳴分光 |
Research Abstract |
本研究では超音速ジェット中で生成する分子クラスターの高感度振動分光法として誘導Raman-紫外二重共鳴分光法および赤外-紫外二重共鳴分光法の開発に成功し,それらを用いベンゼン二量体,トルエン二量体などのvan der Waalsクラスターやフェノール-(H_2O)_n水素結合体の振動スペクトルを観測した. 誘導Raman-紫外二重共鳴分光法では誘導Raman過程により超音速ジェット中の分子クラスターを効率よく振動励起した.振動励起クラスターは共鳴イオン化法により高感度に検出し,またRaman励起レーザーとの遅延時間を変えることにより,振動緩和速度の測定を行った.この分光法をベンゼン二量体のモード1(992.6cm^<-1>)準位の観測に適用し,振動スペクトルおよび偏光解消度の測定からベンゼン二量体がT-字型構造であることを明らかにした.またS_0状態における分子内振動緩和(IVR)速度がS_1状態に比べ100分の1程度に小さくなることも明かとなった.更に現在,トルエン二量体やベンゼン-トルエン(1:1)クラスター,更にフェノール-(H_2O)_n水素結合体の振動準位の観測に成功している.赤外-紫外二重共鳴分光法はおもにフェノール-(H_2O)_n(n=1-4)水素結合体のOH振動準位の観測を目的として開発した.LiNbO_4結晶を用いた差周波発生により3μm領域の赤外波長可変レーザー光を発生させ,超音速ジェット中のフェノール-(H_2O)_n水素結合体に照射した.水素結合体の赤外スペクトルはイオンデイップ分光により測定し,フェノール側だけでなくH_2O側のOH振動も測定することに成功した.スペクトルの解析の結果,フェノール-(H_2O)_n水素結合体はこれまで考えられていた構造とは異なってフェノールに水が一個一個段階的に水素結合した構造ではなく,(H_2O)_nクラスターとして水素結合していることが明らかになった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)