Project/Area Number |
05640602
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 敏一 京都大学, 工学部, 助手 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 賢一 京都大学, 工学部, 教授 (50026358)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ラジカル解離 / イオン解離 / C-Cシグマ結合 / 熱分解 / 加溶媒分解 / 酸化還元電位 / 溶媒効果 / 置換基効果 |
Research Abstract |
1.立体混雑が極めて大きい新規化合物、7-(9-X-フルオレン-9-イル)-1,3,5-トリ-t-ブチルシクロヘプタトリエン(1a:X=CN、1b:X=Ph、1c:X=MeO)を合成し(交付申請書に記載の化合物1)、その熱解離様式(イオン解離またはラジカル解離)を調べた。その結果、1a〜cはいずれも比較的低温(100℃)で解離を起こし、溶媒極性が低いほど、またXの電子供与性が大きくなるほどラジカル解離の選択性が高くなることが示され、解離様式に対する溶媒と置換基の効果が明らかとなった。さらに化合物1bはTHF中、空気下では室温でも容易にラジカル解離を起こして自動酸化生成物を与えることが確認された。一方、1a〜cがイオン解離した場合に生成するイオンの酸化還元電位をCV法により測定し、これを用いてラジカル対とイオン対の相対安定性の尺度である電子移動自由エネルギー(ΔG_<ET>)を計算したところ、溶媒極性が小さく、置換基Xが電子供与性になるほどその値は小さくなることが判明した。これにより、生成物の熱力学的安定性がC-C結合の解離様式を決定する主な要因の一つであると結論できた。 2.化合物1bは、分子中のC-Cシグマ結合が二つのタイプの解離を同時に起こす極めて特異な炭化水素である(MeOH-THF等量混合溶媒中ではラジカル解離:イオン解離=3:7)ことが示された。また、イオン解離生成物として、中間体イオン対とMeOHとの反応によるメトキシシクロヘプタトリエン誘導体と9-フェニルフルオレンが単離されたことから、この反応は一種の加溶媒分解(S_N1)であることが明らかとなった。従来のS_N1反応の基質が例外なくヘテロ原子を含むのとは対照的に、本研究の結果は炭化水素がS_N1反応を起こし得る事を示した最初の例である。
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