Project/Area Number |
05640604
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山高 博 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60029907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 潤子 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (60110772)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Wittig反応 / Corey反応 / イリド / 分子軌道法 / 反応選択性 |
Research Abstract |
リンイリドとアルデヒドは立体選択的にオレフィンを与える(Wittig反応)。これに対し、リンイリドの同族体であるヒ素イリドは多くの場合アルデヒドと反応してオキシランを与える(Corey反応)。また、この2つの反応経路のうち、リンイリドはWittig反応のみを起こすが、ヒ素イリドは反応条件やアルデヒドの構造によって、両反応の割合が大きく影響を受ける。さらに、リンやヒ素と同じ周期律表15族の窒素やアンチモンのイリドも知られているが、これらが効率よくWittig反応を起こしたという報告はない。本研究では、これらの反応の進みやすさが何によって支配され、反応経路のswitchingがどのような理由によって生じるのかを明かにするために、一連の15族イリド、H_3M=CH_2、M=N、P、As、Sb、Bi、の生成反応、イリドの性質、およびイリドとアルデヒドとの反応について、非経験的分子軌道法計算(MP2/DZ+d)を行った。その結果、イリドの生成はPでもっとも容易で、As、Sbと周期律表の下に行くほど困難になること、またNではイリドが非常にできにくいこと。さらに、イリドのカルバニオン性はPからBiになるにしたがって大きく、Nでも大きくなると計算された。一方、イリドの反応は、Pの場合に最もWittig型反応が有利であり、As、SbとなるにつれてCorey型反応が容易になること、またNではWittig型反応が存在しないことが予想された。これらの計算結果は、実際の実験結果と完全に一致している。次に、これらの15族元素イリドの性質の違いが何によっているか検討した。その結果、15族元素の酸素親和性とM-C結合の強さに支配されていることが分かった。そして、酸素親和性は、隣接する電気的に陰性な基を安定化する能力と相関することが判明した。
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