高圧による分子構造の変形と反応性制御へのアプローチ
Project/Area Number |
05640607
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 博昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 明 神戸大学, 理学部, 教授 (90025271)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 高圧NMR / ジブロモエタン / ジアセトキシパラシクロファン / 活性化体積 / 圧力効果 / 分子内回転 / 高圧NMRセル / 配座平衡 |
Research Abstract |
(1)1,2-ジ置換エタンの配座平衡に対する圧力効果:1,2-ジブロモエタンの^<13>C,^2H二重標識化合物(スレオおよびエリスロ体)を合成し、その各々について高分解能NMRを190MPa(約1900気圧)まで測定した。ビシナル位スピン結合定数の圧力変化を比較解析した結果、加圧によってトランス体(〕 SY.dblharw. 〔)ゴーシュ体の平衡がゴーシュ体の方に移行することを確認した。平衡定数の圧力変化からトランス体とゴーシュ体の体積差を見積ると約-2cm^3/molなる値が得られたが、これはさきに^<13>C標識体で得られた値とよく一致する。 (2)パラシクロファンの縄跳び運動に対する圧力効果:シス-1,12-ジアセトキシ[12]パラシクロファンの環プロトンNMRスペクトルの波形を融合温度に近い105℃において、190MPaまで追跡した。その結果、高圧力の印加によりベンゼン環の回転が加速されることがわかった。回転速度定数の圧力変化から回転の活性化体積をもとめてみると-6〜-7cm^3/mol^<-1>となり、回転の遷移状態で体積が減少することを示している。高圧力下での溶媒効果についての情報も必要であるため溶解度のよいジメトキシ体を用いた各種溶媒中での実験を計画している。 (3)高圧セルの改良について:上述の高圧実験は新しく開発した石英製のセルを用いて行ったものであるが、試料液のセルへの導入、NMR装置へのセット等、操作性も優れている。また同一の石英から製作した試料の引張り強度を測定したところ、従来のパイレックスのそれよりもはるかに高い値が得られた。したがって耐圧性能も優れているはずであり、増圧器をもちいた、さらに高い圧力下での実験を計画中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)