Project/Area Number |
05640612
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
植村 元一 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90047241)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | (アレーン)クロム錯体 / アトロプ異性体 / 不斉クロスカップリング / 面不斉 / エナンチオ選択的オルトリチオ化 |
Research Abstract |
芳香環上1,2-及び1,3-位に異なる置換基をもつ対応する(アレーン)クロム錯体には二種の光学異性体が存在する。本研究では(アレーン)クロム錯体の面不斉を利用してアトロプ異性体を立体選択的に合成することを検討した。まず最初に、(アレーン)クロム錯体光学活性体として合成する方法を検討した。メソ体の(o-ジクロロベンゼン)クロム錯体を、キラル配位子存在下、エナンチオトピックな二つのハロゲンを区別して、パラジウム触媒でビニル、及びアリール金属を一方の塩素原子のみとクロスカップリングし、(アレーン)クロム錯体を光学活性として得ることを検討した。配位子としてはPPFAが、また用いるビニル、及びアリール金属はホウ酸誘導体が最も高い光学純度を示す事がわかった。フェニルホウ酸を用いてカップリングすると、最高69%eeの光学純度でモノカップリング体を得た。 オルト置換フェノールのクロム錯体を光学活性体として合成するために、環状のカルバメートでマスクしたフェノールのクロム錯体をブチルリチウム存在下、キラルジアミンでエナンチオ選択的なオルトリチオ化反応を行った結果、72〜82%eeの光学純度で目的物を得た。 (アレーン)クロム錯体の面不斉を利用して、アトロブ異性体を光学活性体として立体選択的に合成することを検討した。2,6-ジ置換-1-ブロモベンゼンのクロム錯体と、オルト置換フェニルホウ酸をパラジウム触媒でクロスカップリングすると、フェニルホウ酸のオルト位の置換基の違いにより、アトロプ異性体を選択的に作り分けることに成功した。オルト位の置換基がアルキル、ヒドロキシメチル基の時と、ホルミル基の場合では完全に異なるアトロプ異性体を合成することができた。この反応を更に軸不斉をもつ生理活性天然物の全合成に応用している。
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