イオン移動ボルタンメトリーによるポリ酸錯体の生成機構の解明
Project/Area Number |
05640631
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
姫野 貞之 神戸大学, 理学部, 教授 (30031363)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大堺 利行 神戸大学, 理学部, 講師 (00194118)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | ポリ酸錯体 / イオン移動ボルタンメトリー / 合成条件 |
Research Abstract |
ポテンショスタット/ガルバノスタットおよびパーソナルコンピューターを用いて、コンピューター制御液・液界面イオン移動ボルタンメトリー測定システムを構築した.本法は、水溶液層とニトロベンゼン、ジクロロエタンなどの有機層界面を移動するイオンの量を電流として、移動エネルギーを界面電位差として同時に記録する新しい電気化学測定法である.また、本測定システムの構築により、従来のグラッシーカーボンなどの固体電極を用いるボルタンメトリーの自動測定および解析が可能となった.その結果、ケギン型およびドーソン型ポリ酸錯体のボルタンメトリックな酸化還元機構の検討が可能となり、可逆1電子波から可逆2電子波への変換過程に及ぼすプロトンの効果を明らかにすることが出来た.また、ポリ酸錯体のイオン移動ボルタモグラムを詳細に解析することにより、移動電位とポリ酸イオンの表面電荷密度との間に明瞭な相関があることが明らかとなった.この表面電荷密度の違いが、水溶液中あるいは水・有機層界面において安定に生成するポリ酸錯体を分類する決定的要因であったことが分かったことから、それらの合成条件を予測することが可能となった.その結果をポリ酸錯体の疎水性尺度として提案すると共に、水-アセトニトリル混合溶媒中から亜ヒ酸をヘテロ原子として含む新規ポリ酸錯体を合成単離する等の成果を得た.なお、デュアルパルスアンペロメトリーを用いるポリ酸錯体生成反応の速度論的研究は進行中であるが、現在1:11型錯体がケギン型錯体生成反応の中間体であることなどの知見が得られており、単量体から縮合する過程を明らかにできるものと考えている.
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)