一次元鎖状ハロゲン架橋混合原子価錯体におけるソリトンとポーラロンのダイナミクス
Project/Area Number |
05640652
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山下 正廣 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (60167707)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 一次元金属錯体 / 混合原子価錯体 / ソリトン / ポーラロン / ハロゲン架橋金属錯体 |
Research Abstract |
鎖間相互作用の異なる二種類の擬一次元ハロゲン架橋白金系混合原子価錯体においてソリトンとポーラロンの帰属を行い、さらにそれらのダイナミクスについておもに光物性により研究を行った。測定に用いた化合物は鎖間の相互作用がほとんどない一次元的な[Pt(en)_2][PtX_2(en)_2](Cl0_4)_4(X=Br,l)、と鎖間がカウンターイオンとの水素結合により二次元的につながれた[Pt(chxn)_2][Pt(chxn)_2X_2]X_4(X=Br,l)である。光誘起吸収スペクトルの結果、一次元的な化合物ではミッドギャップ領域に3本の吸収が現れた。経時変化やエネルギー位置より、中央のものがソリトンに両端のものがポーラロンに帰属された。一方、二次元的な化合物では2本の吸収しか現れなかった。これらはポーラロンに帰属された。つまりポーラロンは構造の違いによらずに現れ、ソリトンの出現は構造の違いに大きく依存している。つまり前者の化合物では鎖間の相関がないため鎖の位相が途中で逆転することによりソリトンは容易に生成されるが、後者の化合物では鎖間に強い相関があり位相が揃っているため、一つの鎖の位相が途中で逆転することは難しくソリトンは生じない。このように鎖間相互作用の違いを利用することによりソリトンの出現を制御することが出来るようになった。また[Pt(en)_2][Pt(en)_2I_2](Cl0_4)_4の光伝導と光励起スペクトルの比較からポーラロンが伝導のキャリアーとなっていることが明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)