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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
液体カラムクロマトグラフィー用充填剤の研究は、近年、発展期にあるが、充填剤の構造から派生する欠点(カラム内の流れが乱流となり、ピークのブロード化を引き起こす)を解決していない。これを解決する一法として、キャピラリー様のマクロチャンネルを有する充填剤のカラム内直接調製が注目され検討されつつある。本研究の本年度計画は、上記充填剤をカラム内で直接調製する為の構造制御法の検討であった。 重合は、緩衝液中でレドックス開始剤系《開始剤,ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)一促進剤,N,N,N′,N-テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)》を用い、減圧下で脱気後、所定温度にて行った。モノマーとして、メタクリルアミドを、橋かけ剤としてピペラジンジアクリルアミドを用いた。モノマーの濃度をT 15%,C 55.9%一定とし、開始剤濃度、促進剤濃度、pHとバッファー濃度、重合温度、凝集促進剤の硫酸アンモニウム濃度を夫々変えて種々のゲルを調製した。ゲルのマクロチャンネルの状態を推定する為、種々の流速で、試料溶出ピークの理論段数を比較した。試料は、カタラーゼ、ヘモグロビン、シトクロム c、a-キモトリプシノーゲンA、クロム酸ナトリウムを用いた。理論段数と耐圧性から判定すると、以下が最適な調製条件であった。緩衝液のpHと濃度は7.0,50mMリン酸カリウム緩衝液、重合温度は34℃、硫酸アンモニウム量は0.6g/10mlモノマー水溶液、APS濃度は1mg/10mlモノマー水溶液、そしてTEMED濃度は1.92mg/10mlモノマー水溶液であった。実際、耐圧性の指標として用いているゲル自体から生じる圧力は、流速10ml/minで1.0kgf/cm^2/cmであり、又、流速2.0ml/minでのヘモグロビンの1m当たりの理論段数は19000であった。これらの特性値は、カラムクロマトグラフィー充填剤として、市販されているものより数段優れていた。特に、耐圧性の向上は、極限値に近い。
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