Project/Area Number |
05640808
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
人類学(含生理人類学)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
溝口 優司 国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (00110106)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 頭骨(とうこつ) / 頭蓋(とうがい) / 時代的変化 / 地理的変異 / 環境要因 / 変動要因 / 多変量解析 / 主成分分析 |
Research Abstract |
頭骨形態の時代的変化がどのような要因によって、どのように起こってきたのかを理解するために、文献調査によって集めたアジア全域の約10,000年前から約1,000年前までの約300遺跡から出土した男性頭骨のデータをもとに、まず、各計測項目の時代差がどのような地理的変異を示しているのかを調べ、さらに、複数の計測項目の時代差が互いにどのように関わりあっているのかを、多変量の統計学的手法の一つである主成分分析法を用いて検討した。 その結果、アジア地域の、この時代区分における頭骨の時代的変化には、全体的に顕著な一定方向の変化というものは認められず、地域によって、あるいは、もっと細かく分けた時代小区分によってかなり変異があることが示唆された。一応、全体としては、頭骨最大長、バジオン・ブレグマ高、頬骨弓幅、鼻幅は減少し、頭骨最大幅、上顔高、鼻高は増大するという傾向があるが、有意性は今後さらに分析してみなければ分からない。 時代差の主成分分析の結果は、普通の群内分散共分散行列に対する結果とは異なり、いわゆる「大きさの一般因子」は認められなかった。第1主成分は頭骨最大幅、頬骨弓幅、上顔高、鼻高と高い相関を持つが、バジオン・ブレグマ高とは逆方向の比較的高い相関を持っていた。第2主成分はほとんど独立な因子で、鼻幅とのみ高い相関を持っていた。つまり、アジア人のこの時代区分における頭骨各部の時代的変化は、鼻の幅を除けば全体として互いに連動して起こっている、ということである。これらの共変動的な変化を起こさせた具体的要因が何であったのかを特定するには、さらに環境変化等との関連をも調査する必要がある。
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