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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
オープンセル型金属多孔体は,通気性と大きな比表面積により,化学反応触媒・脱臭剤・消臭剤・電池電極材などの担体として,あるいは,各種フィルターとして工業的に広く使われ始めている。しかし,実用的にも重要な力学的特性に関する研究は少なく,ポリマーフォームに比べて非常に立ち遅れているのが現状である。そこで,本研究では,相対密度が10%以下のオープンセル型ニッケルフォームについて,引張変形における応力-ひずみ曲線の特徴を明らかにし,変形機構を検討することを目的とした。 供試材は,湿式メッキ法により作成された純ニッケルの板状オープンセルフォームである。フォームの嵩(かさ)密度は0.5〜0.7Mgm^<-3>で,固体ニッケルに対する密度比すなわち相対密度は0.05〜0.08である。厚さ5〜11mmの原板から,全長70mm,ゲージ長さ30mm,R部つきの引張試験片を放電加工により切り出し,インストロン型万能試験機による大気中での定速引張試験に供した。歪速度は1.4×10^<-4>s^<-1>,温度は室温である。 ほかに,光学顕微鏡および走査電子顕微鏡による組織観察も行なった。 結果を要約すれば次のとおりである。 -応力-ひずみ曲線破,弾性変形→塑性降伏・加工硬化→破壊,の3領域に大別される。 -フォームのヤング率はセルエッジの曲げ弾性変形で決まり,相対密度のみに依存する。 -フォームの降伏応力-ひずみ曲線は,セルエッジの曲げ降伏の条件で決まり,相対密度のみに依存する。
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