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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
工具へ流入する熱量を逆問題手法を用いてインプロセスで検出する方法について実験・数値解析により検討・確立し,切削中に工具へ流入する熱量を明らかにする研究を行った.具体的には,乾式長手旋削加工を例に取り,工具へ流入する熱量割合や工具磨耗による流入熱量の変化について,被削材として中炭素鋼(S45C),ねずみ鋳鉄(FC20)またはアルミ合金(A5086),工具としてスローアウェイ工具またはダイヤモンド工具,チップとして超硬P20を使って実験・数値解析により検討した.その結果,以下のことがわかった.(1)工具内の温度と工具へ流入する熱量との間には一定の関係がある.(2)予め工具にパルス状の熱量が流入したときの工具内の温度を数値解析で求めデータベース化し,加工中の工具内の温度を測定してデータベースと比較することによって,加工中に工具へ流入する熱量を求めることができる.(5)工具へ流入する熱量の切削動力に対する割合は,切削速度,切り込み量,送り速度が大きくなると小さくなる.(6)工具へ流入する熱量の切削動力に対する割合は,アルミ合金(A5086)を切り込み量0.005mm切削速度470mで切削した場合には約5%,中炭素鋼(S45C),ねずみ鋳鉄(FC20)を超硬工具で一般の切削条件で切削した場合には約4から8%となり,工具へ流入する熱量は切磋駆動力の10%以下程度であることがわかった.(7)ねずみ鋳鉄(FC20)を切削した場合よりも中炭素鋼(S45C)を切削した場合の方が工具へ流入する熱量割合は小さい.(8)ねずみ鋳鉄(FC20)の場合に鋳造時の影響で切削する表面に硬さの分布があると,主分力はそれに応じて変化し工具へ流入する熱量も変化する.(9)工具磨耗が進行すると工具へ流入する熱量が増す.
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