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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
気相中に懸垂させたワイヤもしくは撚糸に液体をつたわらせ,数珠状の滴列の形で降下させるという新奇な気-液接触操作に関し,液の流下挙動と気-液間の熱移動特性の把握を目的として,以下のように研究を実施した。 可視化実験:感温液晶のマイクロカプセルをトレーサーとして懸濁させたシリコン油をナイロン糸上に流下させ,スリット光による液滴切断面内のマイクロカプセルの動きを高速ビデオカメラによって記録した.これより,各液滴とその前後の環状液膜との間の液の交換は確認されたが,液滴内に定在渦などの強い混合機構は認められなかった. 2.推算モデルの検討・改良:先に作成した熱(物質)移動推算モデルにおいては,明確な根拠なしに液滴間の環状液膜部において発達した定常流を仮定していたが,簡単な解析によりその妥当性を確認した.上記の可視化実験の結果からは,液滴-液膜間の混合に関しモデルの修正が必要と判断されるが,この面の検討は進んでいない. 3.溶融塩による実験:実験装置を新たに製作し,三元系溶融塩KNO_3-NaNO_2-NaNO_3(44-49-7mol%)-通称HTS-の流下挙動を観察した.単一の金属ワイヤの他に,ワイヤ対,金属網等の上の流下挙動を比較し、表面張力の大きなHTSの液滴列を安定に降下させるには網状の構造が必要との結論に達した。 4.溶融塩滴列に関する推算モデル:HTSの各液滴は網上のワイヤ交差部に小滴を残しながら,そして前の滴が残した小滴を飲み込みながら,定速度で降下していく.この過程を記述し得るように先の熱(物質)移動推算モデルを修正し,溶融塩による気相からの熱回収過程の推算例を得た.
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