Project/Area Number |
05650384
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 道雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016451)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 「角度領域」 / 周期関数 / 高精度位置決め / 周期係数線形系 / 二自由度制御系 / 繰返し制御 / デッドビート制御 / H_∞制御 |
Research Abstract |
位置決め制御系において、その目標入力はしばしば回転角度に関する周期信号として与えられる。例えば、切削システムでは、バイトの先端位置の目標入力は主軸の回転角度に関しての周期信号として与えられる。主軸は一定な回転速度で理想的に回転しているものとすると、目標入力は時間領域でも周期信号となるが、しかし、主軸の駆動系の構造および加工作業などに起因する外乱が生じ、この外乱によって主軸の回転速度が変動すると、目標入力信号は時間領域での周期性は失い、時間領域での繰返し制御では高精度位置決めが実現できないことになる。 本研究では、「角度領域」という概念を導入し、主軸の回転に同期する外乱によって主軸の回転速度が変動する場合の高精度位置決め制御問題を考える。「角度領域」で繰返し制御を適用することにより、この種の主軸回転速度の変動の影響を完全に除去し、高精度位置決め制御を実現することを目的としている。 研究は理論の実験の両面から行なった。 まず、理論の面からは、「角度領域」における制御対象の数学モデルを求め、主軸回転速度の変動は、等価的に「角度領域」における制御対象のパラメータの周期変動となることを明らかにした。さらに、2自由度繰返し制御系の構造を用いて「角度領域」における位置決め制御系を構成し、制御系の設計法を提案した。その有効性はシミュレーションにより検証した。 次に、実験による検証を行なった。実験装置は一軸テーブル1台とDCモータ2台を用いて作成した。DCモータ2台の中、1台は速度制御用モータとして使い、主軸をシミュレートさせた。残りの1台は位置決め制御用モータとして使い、それを一軸テーブルを駆動させ、位置決め制御系を構成した。また、テーブル上にペン記録装置をのせ、位置決めの結果をぺんで直接出力するような機構を構成した。本実験で使用したDCサーボモータ及びそのドライバは安川電機製ミナーシャモータUGRMEM-02MAとその駆動用制御装置Servopack CPCR-FR01RB-R2Mであり、一軸テーブルは日本精工製HS0020-902であった。 実験結果より、本研究で提案した手法を用いると、主軸の回転速度は理想的に回転する場合ではもちろん、回転に同期して変動しても、その変動の影響は「角度領域」における繰返しコントローラにより完全に抑制し、高精度位置決め制御が実現できることが確認できた。
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