Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,Linskerの提案している最大情報量保持原理(Infomax principle)に基づいて色受容野を自己組織的に形成し,その色・空間特性について解析した.提案モデルは入力層,出力層の2層から成る.入力層はRGBの3枚のカラープレーンから成る.出力セルは入力セルと全結合しており,色受容野はそのシナプス荷重値に対応する.なお,入力は7×7ピクセルサイズ,出力セル数は15個とした.これらシナプス荷重値を情報量最大保原理にしたがって決定する方法は,入力データの分布や拘束条件により異なってくるが、その一つの方法として主成分分析がある.本研究では,入力データの主成分を抽出するHebb型の学習アリゴリズム:GHA(Generalized Hebbian Algorithm)を用い,色受容野の自己組織化を行なった.また,学習に用いる刺激画像として,RGB各錐体の距離に依存する空間的相関と,それらのスペクトル感度特性に依存して決まる色相関を合わせもったランダムカラーノイズ画像を用いた.提案モデルにより形成された色受容野の色選択性を調べたところ,形成された受容野は,色特異性を示すものと示さないものに分類でき,色特異性を示すものは赤-緑,黄-青という反対色性を示すことが明らかとなった.さらに,これら形成された色受容野の空間周波数特性を調べた結果,反対色表現をとり,かつband-pass特性を持つ受容野が形成されていることがわかり,これらが二重対立型受容野に対応することが明らかとなった.これまで,二重対立型受容野はカラーコントラストの検出や色恒常性の実現に関与していると考えられてきた.本研究で得られた結果は,二重対立型受容野が,こうしたタスクに依存せず,より一般的な情報処理原理の要請に従って,視覚神経系に存在することを示唆するものである.
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