限界状態近傍にある飽和土の弾塑性境界値問題の解析・実験とその応用に関する研究
Project/Area Number |
05650460
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geotechnical engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50093175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (00252263)
小高 猛司 名古屋大学, 工学部, 助手 (00252271)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 粘土 / 破壊 / せん断 / 3軸圧縮試験 / 有限要素法 / 間隙水のマイグレーション / サンドコンパクションパイル |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、土がせん断破壊に至るまで正確に変形を追跡する解析を実施し、限界状態近傍にある土の挙動を詳細に調べることであった。飽和粘土にCam-Clay Modelを適用し、有限変形の水-土骨格連成弾塑性解析を行った結果、(1)非排水せん断により限界状態に至った粘土に水を与えることにより、その粘土は吸水軟化挙動し、やがてせん断前の元の粘土と同じ物性を持つ粘土に戻ることを示した。実際の川崎粘土の3軸供試体においても同じ現象が起こるかどうか、非排水せん断後に吸水させた供試体を50分割してそれぞれ含水比を精密に計測した結果、(2)小さな3軸供試体といえども、硬化域、軟化域、除荷域が存在し、ある部分によっては弾性除荷では決して説明できないような、元の粘土に比べて高含水比になっていることが確かめられた。上記(1)(2)の結果は、粘土の正規圧密曲線が非可逆的な「処女圧縮曲線」とまでいわれている従来の概念を覆すものではあるが、粘土をスラリー状に撹拌した後圧密すれば何度でも同じ粘土が作製することができることを考えれば、粘土は一旦壊しさえすれば何度でも再生可能であることが理解できる。また、一度非排水せん断した粘土から、排水コックを開放することによって過剰水圧を抜いた(排水させた)後、再び非排水せん断すると一度目のせん断強度よりも大きくなるという実験結果も、先の吸水挙動と全く同様に解析することに成功した。土の挙動はダルシー則に支配されるから、その土要素を囲むまわりの土要素群での水頭場が当該土要素の硬化、軟化(あるいは弾性除荷)を支配することになる。つまり土要素自身の応力、応力履歴だけではつぎのtime-stepでの力学挙動が決まらない、いわゆる「Non Local」な性質を持つことになる。本研究の応用例としては、SCP打設による杭間粘土の破壊とその後の強度上昇の挙動をほぼ説明することができるようになったことが挙げられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)