Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,飽和粘性土は一軸圧縮試験においても有効応力の原理に従って挙動する,という前提に立って,一軸圧縮強度に対する圧縮速度の影響を供試体の有効応力履歴を把握した上で評価することである.従来の研究から明らかなように,供試体の有効応力履歴を考慮せずにひずみ速度を変化させた一軸圧縮試験を行っても圧縮速度の影響を明瞭に評価できるデータは得られない.本研究では,供試体の初期有効応力(初期サクション)を測定することによって供試体の有効応力履歴を把握し,一軸圧縮強度に対する圧縮速度の影響を評価した. 方法概要:ベントナイトと藤の森粘土を混合させて高塑性の粘土試料を使用した.セラミックプレートを用いたサクション測定は有効であることがわかっているが,測定に時間がかかることと測定に引き続いて三軸圧縮試験を行うことができないという欠点がある.そこで,高透水性のポーラスストーンを使用する方法を検討した.初期サクションを測定した後,ひずみ速度を3通りに変化させて一軸圧縮試験を行った. 主な結果:(1)ポーラスストンを用いてもサクションの測定が可能であるが,測定時間は短縮されない,また測定値は,サクションプレートを使用した場合と異なる.(2)ひずみ速度が早いほど強度が大きくなるという傾向を示す結果は得られたが,試験個数が十分でなく,有効応力履歴を考慮したひずみ速度の影響を定量的に評価するには至っていない. 研究の問題点:(1)当初予定していた,予備圧密段階における試料のK0値は,予備圧密容器が大きいために,1ヶ所の土圧測定では評価できなかった.(2)初期有効応力(過圧密比)を制御した供試体に対するひずみ速度の影響を調べるための,CK_0U三軸圧縮試験は当該年度中に行えなかった.
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