Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の基本モデルである時間交通量配分モデルの開発を行った。そして,そのモデルを応用した道路網最大容量の評価法ならびに交通アセスメントの評価支援を行うための初歩的なシステム開発を行った。具体的には,(1)信号交差点の交通容量解析を時間交通量配分モデルに組み込むことにより,従来明示的には扱われてこなかった信号交差点での待ち時間を明示的に考慮するとともに,最適な信号現示企画(あるいは,新しい交差点構造)を検討する計画支援システムの開発を行った。そして,この適用性を簡単なモデルネットワークと実際の道路網(金沢都市圏)に適用し,その有効性を確認した。ただし,信号現示検討システムについては,現在計画時点における道路および交差点の構造諸元(改良計画の代替案)が与えられる場合に,マニュアル的に最適な計画案(信号現示企画)を決定するシステムであり,今後このシステムを改良することにより,自動的に最適な現示企画が決定できるような交差点改良エキスパート・システムに拡張する必要がある。 また,(2)都市内道路網のネットワーク容量はリンク容量(道路区間の容量)よりも,むしろ信号交差点における交通容量により規定されると考えた方が現実的であるので,交差点容量解析の結果として出力される未処理交通量から渋滞列長を計算し,その渋滞列長をリンク切断の判定基準とする道路網最大容量評価法を提案した。そして,そのシステムを応用することにより,土地利用パターンと道路網の関連性を分析し,その結果として土地利用パターンと整合性のある最適な道路網形態を検討するための支援システムの開発を試みた。 以上のように,研究初期の目的はほぼ達成されたが,現実の交通行動は日々変動しており,ダイナミックに変化する交通状況に的確に対応しなければならない。そのためには,まだやり残した時間交通量配分モデルの動的化とトータルとしての交通影響評価支援システム(交通アセスメント評価システム)の開発が必要である。今後,これらの研究課題を精力的に進めたい。
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