Project/Area Number |
05650549
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒正 清治 足利工業大学, 工学部, 教授 (80016328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 静雄 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (90092569)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 有孔梁 / 靭性 / 鉄筋コンクリート / 変形能力 / せん断 |
Research Abstract |
現在の鉄筋コンクリート構造物の設計は、部材の変形能力の程度や支配の程度によつて構造物に必要な保有耐力を考えようとする靭性設計法であるので、梁の耐震性への開口の影響は、強度に対してだけでなく、梁の変形能力に対しても把握されていなくてはならない。しかしながら、開口の変形性能への影響に関する実験データーはほとんどなく、無視されているのが現状である。設備設計の合理化のために、梁端部の塑性ゾーンにも開口を設けることが要求されている現在、開口が強度だけでなく、変形性能へ及ぼす影響を確認することは急務といえよう。 試験体の共通因子を、断面(20cm×40cm)、せん断スパン(100cm)、コンクリート強度(260kgf/cm^2)、主筋比(1.1%)として、変動因子を、あばら筋の径(5,6,7mm)、あばら筋の間隔(4、6cm)、孔位置(柱面から梁せいの0.5、1.0、1.5倍の位置)、孔径(梁せいの1/3、1/4、1/5)とした。加力は片持ち梁形式の正負番くり返し載荷で行った。孔周りには特別な補強は行わず、一般的な傾向を調べるための基礎実験とした。 実験の結果次のことが明らかとなった。 1)全ての試験体が曲げ降伏したが、孔径が梁せい(D)の1/3であっても、孔位置が柱面から1.0D以上離れれば、部材角1/30以上の変形能力があった。 2)孔が梁端にあっても孔径がD/5以下であれば、部材角1/30以上の変形能力があった。 3)孔位置と孔径が変形能に及ぼす影響を、日本建築学会「終局強度設計指針」に示されているトラス理論で検討し、コンクリート圧縮束の傾きと負担している力を実験的に測定した結果、孔位置が柱面から離れると変形能力が増すのは、コンクリート圧縮束の有効係数が低下しないためであり、孔径が小さくなると変形能力が増すのは、コンクリート圧縮束の傾きが大きいためであることが分かった。
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