Project/Area Number |
05650556
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 治典 京都大学, 工学部, 助教授 (00144337)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 都市気象 / 省エネルギー / 気象データ / 気温鉛垂分布 |
Research Abstract |
1 実測 大阪の高層ビルを利用して鉛直方向の温度・湿度の観測を、夏期3週間、冬季2週間行い、そのデータ記録を解析した。測定ポイントには梅田・難波・京橋・弁天町など市街化が進んだ地域を選び、それらとの比較のために郊外の大東市(住道中学)、沿岸部の南港地区を測定地点として選んだ。測定ではビル自身の上昇気流による影響を除くため、可能な限り対角に2箇所、同時観測した。観測値の誤差の標準偏差は0.2〜0.3[K]程度であり、十分な精度が得られた。 2 測定結果 測定結果は、観測時系列を年周成分、日周成分、確率成分に分離し、基本となる大阪管区気象台のデータと比較した。この分離する方法は既に研究者本人が開発した方法である。 気温は市街地のいずれの地点も高度1mにつき夏は0.0106[K]、冬は0.0089[K]、線形に低下することが判った。これは都市域の期間平均的な境界層厚さは200m以上あることを示す。平均値は乾燥断熱減率0.0098[K/m]に等しい。市街域内の地点差は予想に反し少なくかなり均質であった。沿岸部の地上気温は市街地より低温だが、上空は市街地との差が少ないことが判った。 湿度は市街域では気温の傾向とほぼ同じで、かつ鉛直方向の分布も見られなかった。ただし、夏期は郊外(住道中学)と沿岸(南港)は明かに湿度が高かった。土壌地や海の影響と思われ、市街が乾燥していることが判った。ただし冬期にこの傾向は確認できなかった。また、上空の湿度は沿岸部であっても市街地と同じであることが判った。 3 高度による熱負荷の差 観測結果に基づき、高層ビルの熱負荷を試算し、高度が熱負荷に与える影響を考察した。 今までに検討されたことのない高層ビル上部の熱負荷について実測に基づく量的な知見が得られた。今後の都市の高層ビルの設計情報として有益な情報を提供することができた。
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