Project/Area Number |
05650609
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
中嶋 英雄 岩手大学, 工学部, 教授 (30134042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 安邦 東北大学, 金研, 助教授 (90225681)
山口 明 岩手大学, 工学部, 講師 (60242129)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 準結晶 / 自己拡散 / アルミニウム合金 / 正20面体構造 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、熱的に安定な良質なAl-Pd-Mn準結晶を用いて構成元素の自己拡散係数および遷移金属元素の不純物拡散係数を測定し、複雑な構造を有する準結晶中の拡散機構を解明することである。 1.Al-Pd-Mn準結晶の作製:ブリッジマン法およびチョクラルスキー法を用いてAl-Pd-Mn準結晶試料を作製した。また、アーク溶解法により類似の組成を有する結晶試料も作製した。X線回折法によって準結晶であることを確認すると共に構造を決定した。また、X線マイクロアナライザーによって組成を決定した。 2.トレーサー拡散実験:放射性同位元素^<54>Mnあるいは^<63>Niを試料にメッキし、所定の温度にて拡散アニールを高真空中にて行った。このために本年度に高真空排気装置を購入した。 3.イオンビームスパッタセクショニング装置による拡散濃度分布の測定:本装置は超高真空中に取り付けたイオンガンからのArイオンビームによって拡散試料をスパッタし、そのスパッタ原子を約5〜10nmごとに堆積し半導体検出器によりその放射能強度を測定するもので、すでに試作・完成しており稼動している。本装置を用いて濃度分布を精度よく測定した。 4.データ解析および考察:準結晶Al_<72>Pd_<20>Mn_8中の^<54>Mnの自己拡散の温度依存性は次式で示すことができる。 D=(1.1^<+1.0>_<-0.5>)×10^<-10>exp(-134.0±4.5kJ/mol/RT)m^2s^<-1> この準結晶中のMnの拡散係数はAl_<60>Pd_<25>Mn_<15>結晶中のMnの拡散係数よりも2オーダーも小さいことがわかった。また、準結晶中のMnの拡散係数はアルミニウム中のMnの拡散係数よりも4桁も小さい。さらに、準結晶Al_<72>Pd_<20>Mn_8中の^<63>Niの不純物拡散の測定も行った。Niの拡散挙動はMnの自己拡散挙動に似ていることが明らかになった。今後、準結晶の拡散機構を解明するためMnやNiの格子位置と拡散の関係、近似結晶における拡散の測定を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)