Project/Area Number |
05650620
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南埜 宜俊 大阪大学, 工学部, 講師 (30116107)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 不連続析出 / 高圧力 / Al-Zn合金 / ラメラ層 / 粒界 / 易動度 / 駆動力 / 拡散係数 |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、均一化及び結晶粒度調整したAl-20at.%Zn合金より試料を作製した。その試料を0GPa,1.2GPa,2GPa(2万気圧)の高圧力下で393K〜593Kで焼鈍し、高圧力下で不連続析出現象を生じさせた。この不連続析出を光学顕微鏡、scanning electron microscopeで観察し、不連続析出の形態、成長速度G、ラメラ間隔Lを画像処理(購入備品一式)で測定した。Gに関して次式のように導出した式により解析を行った。 αlnG/αP=αlnM/αP+αln(-F)/αP,αlnM/αP=αln(dD)/αP-2αlnL/αPここでPは圧力、Mとdは先進粒界の易動度と幅、Dは粒界拡散係数、Fは駆動力である。この式は駆動力下で拡散による物質移動からラメラ状の不連続析出が粒界より発生し成長することを基とし高圧力の影響を定量的に表している。実験結果から成長速度の圧力依存性はαlnG/αP=-1.3x10^<-9>(Pa^<-1>)、駆動力の圧力依存性αln(-F)/αP=9.3x10^<-11>(Pa^<-1>)、駆動力の圧力依存性2lnL/P=0が得られた。これらのデータと上式よりαln(dD)/αP=-1.4x10^<-9>(Pa^<-1>)と定量的に決定できた。粒界拡散係数の圧力依存性はαln(D)/αP=-1.1x10^<-9>(Pa^<-1>)と報告されているので粒界の幅の圧力依存性はαln(d)/αP=-2.8x10^<-10>(Pa^<-1>)と特定できた。これらのことから、この不連続析出の成長に大きく寄与している因子はdとDであり、dが圧力に大きく抑制されることは析出反応の先進粒界が静的な結晶粒界とは異なる構造をもっている。すなわち、先進粒界では変態による構造変化とその界面が移動する際に先進粒界の自由体積が増大していることを示唆しており、不連続析出の複雑なメカニズムの解明に大きく進歩した。
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