Project/Area Number |
05650757
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 北海道大学, 工学部, 助手 (40186945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 寛人 北海道大学, 工学部, 教授 (80002856)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 界面活性剤ミセル / 水溶性ポリマー / 相分離 / 膜タンパク質 / 抽出 |
Research Abstract |
種々のアルキルグルコシド系界面活性剤ミセル水溶液が水溶性ポリマーの添加によって界面活性剤を多く含む界面活性剤相と水溶性ポリマーを含む水相とに相分離した。界面活性剤としてはオクチクグルコシド、オクチルチオグルコシドおよびノニルググコシドが相分離系に最も適しており、また、水溶性ポリマーとしてはポリエチレングリコールやデキストランが相分離を引き起こすうえで最も有効であった。この相分離現象はポリマーの分子量や濃度が増大するにつれ、より促進された。また、タンパク質の安定化剤として用いられるグリセロールや塩なども相分離に大きく影響した。 これらの相分離現象はタンパク質の変性を抑えながら取り扱うことのできる0℃で引き起こされた。そこで、界面活性剤によって可溶化されたタンパク質を本相分離系を用いて抽出分離し、精製することの可能性を明らかにするために、相分離系における種々のタンパク質の抽出挙動を調べた。その結果、バクテリオロドプシンやチトクロムb_5などの疎水性膜タンパク質は界面活性剤相に抽出されたのに対し、ペルオキシダーゼやチトクロムcなどの親水性タンパク質は水相に残存した。また、0℃における相分離後の界面活性剤相中におけるバクテリオロドプシンの安定性は、従来から検討されているトリトンX-114非イオン界面活性剤水溶液の加熱によって引き起こされる相分離系を用いたときの界面活性剤相中におけるバクテリオロドプシンの安定性よりも大きかった。以上のことから、本相分離系は膜タンパク質のための新しい抽出分離法として有用であると考えられる。
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