光学活性シクロファンカルボン酸類の新規不斉合成法の開拓と不斉識別素子への応用
Project/Area Number |
05650849
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮野 壮太郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005501)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | シクロファン / シクロファンカルボン酸 / 光学活性シクロファン / ナフタレノファン / 不斉合成 / ホスフィン配位子 / 芳香族求核置換反応 / 不斉識別 |
Research Abstract |
光学活性シクロファン類は高度に不斉なπ平面を有する化合物として、高性能不斉識別素子への応用が期待される。しかるに、従来この種のアンサ化合物は調製の困難さから不斉合成反応、不斉認識等に利用された例は殆どない。本研究では、著者らの開拓した芳香族新規不斉求核置換反応を応用して、光学活性シクロファンカルボン酸の不斉合成法を開拓するとともに、これらを高性能不斉識別機能材料として利用することを目的とし、研究計画に従って分子内不斉環化反応、不斉ホスフィン配位子の創製等について検討し、以下の成果を得た。 1. 1.4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸を出発原料とし、2つのヒドロキシル基の酸性度の違いを利用して、1.10-ジブモロデカンとの反応により1.12-ジオキサ[12]-1.4-ナフタレノファン-14-カルボン酸を効率よく合成することに成功した。また、所期の分子内不斉環化反応は生成物の立体障害のため、未だ成功していないが、フェネチルアミンを用いる簡便な光学分割法を開拓し、10gスケールでの利用が可能となった。また、X-線結晶構造解析により絶対配置を決定した。 2. 上記により得られた光学活性ナフタレノファンカルボン酸を高速液体クロマトグラフィー用シリカゲルにアミド結合を介して固定し、光学活性固定相を調製し、光学異性体の直接光学分割に有効であることを見い出し、不斉識別機構を考察した。また、上記カルボン酸が不斉誘導化剤としても有効であることを確認した。 3. シクロファン型ホスフィン配位子の合成法の開拓の過程で、ジフェニルホスフィニル基を活性化基とする芳香族求核置換反応により、トリアリール型光学活性ホスフィンが簡便に調製できることを見いだした。今後、これらの不斉ホスフィン配位子を用いる触媒的不斉合成反応の開拓が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)