Project/Area Number |
05650851
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
森本 孝 東京農工大学, 工学部, 教授 (20043143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 正雄 東京農工大学, 工学部, 助手 (40126298)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 酸化反応 / クロム化合物 / アルミナ担持試薬 / アリルアルコール / 固体表面 |
Research Abstract |
反応試薬を各種の無機固体や有機高分子に担持またはインターカレートした、いわゆる担持試薬による反応は、生成物の単離操作が容易であることや均一系の反応では見られない特異な生成物選択性を示すことから、有機合成の有効な手法として重要度が漸増している。その代表例がクロム化合物担持試薬であり、ある一定範囲の酸化反応に使用されてきた。しかし、従来の調製法は手間のかかる一連の操作が必要である、分散媒である水の除去及び試薬の活性化に高温加熱処理が必須であるため、有機配位子を持つクロム錯体には応用できない、活性の持続力に乏しい、などの欠点が指摘されている。 そこで今回の研究では、(1)実験操作上、安全で簡素な調製法を開発し、(2)広範な化合物に応用できるか否か検討した。その結果、無水クロム酸と含水アルミナを有機溶媒であるヘキサン中に分散し、その後も常温処理することにより、担持試薬を短時間で合成した。この有効性を各種のアルコールの酸化について調査したところ、良好な結果を得た。すなわち、簡単な飽和アルコールばかりでなく、不飽和、含イオウ、テルペン系アルコールなどの官能基選択的な酸化に有効であり、相当するカルボニル化合物が高収率〜定量的に生成することを明らかにした。また、不飽和アルコールにおいては、二重結合の立体化学が酸化反応に影響されず、ほぼ完全に保存されるという興味深い知見を得た。更に、この試薬は特殊な保存法によらなくとも、長期間その活性を維持する優れた性質を有することが判明した。従って、本法は新規な担持試薬調製法を提供すると思われる。 今回の研究では、上記(1)及び(2)に示した課題を達成し、多大な成果を得ることができた。本研究の成果は、手法の新規性及び有機合成としての有効性が認められ、有機合成系の速報論文誌で刊行される。
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