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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
シアン化ナトリウムを含むメタノール溶液に1-メチルイミダゾールを溶かし,1.75V vs.SCEの定電位で電極酸化反応を行った。生成物は,本研究課題のために新規に購入した液体クロマトグラフィーを用いて分析定量した。カラムクロマトグラフィーあるいは分取ガスクロマトグラフィーを用いて生成物を単離し,別途に合成した標品とIR,^1H NMRスペクトルを比較した。2-,4-,および5-シアン化物が17%,8%および42%の収率で得られた。1,2-ジメチル-および1,5-ジメチルイミダゾールも同様にα-アミノニトリルを与えた。一方,1,2,4,5-テトラメチルイミダゾールは異なるタイプのα-アミノニトリル(2,5-シアノ付加物)を生成した。これまでに,陽極シアノ化反応はカチオンラジカル中間体を経ることを明らかにしてきた。カチオンラジカルのMO計算(INDO-UHF法)により求めた正電荷分布およびLUMO電子密度を実験結果と比較したところ計算値は,実測値と一致しなかった。これは,1-メチルイミダゾールのシアノ化が,従来の陽極シアノ化の機構と異なる機構によって起こる可能性を示唆するものと思われる。 同じ電解質-溶媒に1-メチルピラゾールを溶かし,2.0V vs.SCEの定電位で電極酸化反応を行った。生成物は,同様に処理した。4-および5-シアン化物が23%および8%の収率で得られた。3-シアン化物は検出されなかった。さらに新物質として4電子酸化物4-メトキシ-5-シアン化物が5%の収率で得られた。 1-メチルイミダゾールの計算結果と実験による配向性の不一致さらに1-メチルピラゾールで3-シアン化物が得られないことは本置換反応がカチオンラジカル中間体へのCNアニオンの攻撃による単純な環置換反応ではなくCNアニオンの2,5-(1-メチルピラゾールのときは4,5-)付加とそれに続くHCNの脱離によるものと思われる。
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