Project/Area Number |
05650899
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 俊作 京都大学, 工学部, 助教授 (80150324)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高次構造 / α-ヘリックス / 超二次構造 / 脂質膜 / 環状ペプチド / de novo設計 / コンホメーション解析 / ペプチド工学 |
Research Abstract |
2本のヘリックス鎖が会合した2α構造を構築するため、環状オクタペプチドに2本のヘリックス鎖を結合したペプチドを液相法により合成し、コンホメーション解析を行った。1.環状オクタペプチド、cyclo(Lys(CHO)-Sar-Leu-Sar-Glu(OBzl)-Sar-Leu-Sar)を合成した。Ca^<2+>と錯体を形成することが示された。2.α-ヘリックスを形成する線状12量体、Boc-(Leu-Lys(CHO)-Lys(CHO)-Leu)_3-OHを合成し、2本を平行型で鋳型分子に結合した。3.CDスペクトルを測定して、コンホメーションを検討した。このペプチドは会合しやすく、ヘリックス含率は低かった。また、脂質膜に組み込んでもヘリックス含率は高くならなかった。4.線状12量体のヘリックス含率と疎水性を上げ、分子間相互作用を減らすため、Ac-Glu(OMe)-Trp-Leu-Aib-(Lys(Z)-Aib-Leu-Aib)_2-OHとH-(Leu-Aib-Glu(OMe)-Aib)_2-Leu-Aib-Lys(Z)-Aib-OAntを合成し、環状オクタペプチドに結合した。5.CDスペクトルを測定したところ、予想通り、溶液中でヘリックス構造をとることがわかった。また、ミセル中で、2本のヘリックス鎖が会合した超二次構造を形成していることが示された。しかし、脂質膜中では分子間で会合し、ヘリックス構造が乱れた。CDの測定では、脂質とペプチドとのモル比をあまり高くできないことが原因の一つである。6.ヘリックス鎖に導入したTrpとアトラセンの蛍光を測定したところ、このペプチドは膜表面に取り込まれ、ヘリックス鎖の軸は膜表面に平行であることがわかった。これは、鋳型分子のサイズが、2本のヘリックスが充填されるには小さく、分子鎖の会合によりヘリックス構造が歪むため分子の疎水性が低くなったことが原因と考えられる。7.鋳型分子としてサイズの大きい環状ドデカペプチド、cyclo(D-Lys(Z)-Sar-L-Lys(CHO)-Sar)_3を液相法により合成した。今後、これにヘリックス鎖を結合すると、より完全な超二次構造を脂質膜中で構築できると考えられる。
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