高分子イオン伝導体で被覆されたミオグロビン積層電極の促進電子移動
Project/Area Number |
05650911
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大野 弘幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00176968)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | ミオグロビン / 電子移動 / イオン伝導体 / ポリエチレンオキシド / 化学修飾 |
Research Abstract |
ミオグロビンを電極上に積層固定し、これをさらにイオン伝導性高分子で被覆した系について、電極とミオグロビン間、および積層ミオグロビン間の電子移動過程を詳細に解析し、さらに促進させる方法論を開発することを研究目的とした。 ミオグロビン(Mb)の表面を末端活性化ポリエーテルを用いて修飾した一連の試料(PEO-Mb)を合成し、イオン伝導性高分子との親和性を高めた。このPEO-MbはPEOオリゴマーに変性せずに溶解でき、電位印加により可逆的に酸化還元できることをCDスペクトルと可視スペクトルから確認した。これをITOガラス電極上に積層固定し、含塩ポリエーテルで被覆した。電位印加に伴う可視スペクトル変化及び、反応電流値変化から反応速度定数を算出した。その結果、電極と積層第1層のPEO-Mbとの電子移動は速く、掃引速度が10〜1000mV/s程度でも電子移動可能であった。一方、それ以下の掃引速度では積層PEO-Mb間の電子移動も観測できた。積層PEO-Mbへの電子移動は、ITOガラス電極の作成法、高分子溶媒のPEO分子量、支持塩種、温度、修飾PEO鎖長、PEO修飾率等に著しく依存していることを明らかにした。表面抵抗が低いITO電極を用い、低分子量のPEOオリゴマーに塩化カリウムを支持塩として0.5M溶解させた系に、分子量2000のPEOを7本結合させたPEO-Mbを用いることで、最も高速の電子移動が実現できた。次に、電極と積層PEO-Mb間に電子伝導性高分子であるポリピロールを電解酸化重合法で導入し、電子移動の加速を試みたが、いずれの条件でも加速されなかった。また、Mbの活性中心であるヘムにポリピロールを結合させ、再構成させた導電性ミオグロビンを得ようと試みたが、導電性を保ったままのヘムを得ることができなかった。しかしながら、前述の最適条件探索の項で、温度の影響を詳細に調べていたところ、昇温に伴い加速が観測され、100℃以上でも電子移動可能であることがわかった。この驚異的な耐熱性は水中では観測されず、高分子溶媒中でのみ発現される特性である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)