糖脂質の糖鎖解析に有用な微生物酵素の生産とその応用
Project/Area Number |
05660090
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲二 京都大学, 農学部, 助教授 (70109049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 尚徳 京都大学, 農学部, 助手 (20212045)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | エンドグリコセラミダーゼ / Corynebacterium sp. / スフィンゴ糖脂質 / 2次元糖鎖マップ / ガングリオシド / コレラ毒素 / HeLa細胞 |
Research Abstract |
我々が土壌中より単離同定したCorynebacterium属の一菌株はスフィンゴ糖脂質の糖鎖を脂質(セラミド)との結合部で特異的に切断し遊離する酵素であるエンドグリコセラミダーゼを主として細胞膜結合酵素として生産する。本研究では本酵素を用いることによって糖脂質の糖鎖分析法を開発するとともに、細胞膜上の糖脂質糖鎖の機能解析に応用した。 1.酵素の精製とN-末端アミノ酸の解析:グルコース培地で培養した本菌を界面活性剤の存在下で超音波処理することにより可溶化した酵素標品について、イオン交換カラムクロマトグラフィーや疎水性ゲルクロマトグラフィーなどにより単一タンパクに精製した。精製過程における酵素反応には微量遠心機を活用した。精製酵素についてN-末端ペプチドの分析を試みたところ、N-末端アミノ酸がブロックされていることがわかった。 2.HPLCによる糖脂質糖鎖の2次元マップの作成:種々の糖脂質に本酵素を作用させて、遊離した糖鎖を2-アミノピリジンで蛍光標識した後、順相および逆相カラムを用いたHPLCを行うことによって2次元糖鎖マップを作成した。その結果、このマップに基づいて分析することにより、類似した構造を持つ酸性糖脂質ガングリオシドの糖鎖や中性糖脂質の糖鎖をそれぞれ区別することができた。 3.細胞膜上の糖脂質糖鎖の機能解析:コレラ毒素は細胞膜上の酸性糖脂質ガングリオシドGM1を受容体として細胞内に感染する。そこでHeLa細胞をブチル酸ナトリウムで処理して細胞膜上のGM1を多量に発現させた後、本酵素を作用し、次いでコレラ毒素を感染させたところ、酵素末処理の細胞に比べて細胞内のcAMPの蓄積が著しく減少した。この結果は細胞膜上の糖脂質が毒素の受容体になっていることが確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)