Project/Area Number |
05660230
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
林 哲仁 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (00173013)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 水産食品 / 天然調味料 / エキス / 変異原物質 / 復帰試験法 / エイムス法 / ヒスチジン / 前進変異試験法 |
Research Abstract |
微生物を用いる変異原試験法としてはサルモネラ菌のHis要求性変異株を用いるエイムス法が公定法として広く採用されている。しかし水産食品は遊離Hisを多く含むことから、これを除くための前処理が必要である。これに対し、米国MITのSkopekらが開発したTM677株による前進突然変異試験法(FM法)は、試料中にHisが混在しても全く影響を受けないだけでなく、公定法(復帰突然変異)よりも検出できる変異原物質の範囲が広いという特長を有している。本研究では以下の諸点を明らかにした。 (1)試料に含有される遊離His量が試験系中に添加するよう指示されている微量のHis量(0.0909μmol/plate)の3倍以上になると、公定法では生じる変異コロニー数(変異原性の強さ)と試料濃度の比例関係が失われるが、FM法では影響されない。 (2)このFM法を用いて水産エキスを含む天然調味料中の変異原性を測定したところ、いくつかの検体から強いものでは既知変異原物質4NQOのおよそ一万分の一程度の直接変異原性および間接変異原性を検出した。 (3)これらのうち一部の天然調味料を試料とし、2種の濾材を用いて変異原性画分とHisを含む画分の二つに分けた。この前者を公定法の縮小化法で試験すると全く変異原性を示さなかったのに対して、同じ処理済試料をFM法で試験したところ、弱い変異原性を検出した。そこで同じ天然調味料を前処理せずにFM法で試験したところ、前処理済試料の10-20倍の強さの変異原活性を見出した。このことは、Hisを含む試料を公定法で分析するために必要な前処理過程で、変異原性のかなりの部分が失われること、また公定法では測定できない変異原物質も、FM法では検出可能であることを意味している。 (4)以上のことから、FM法は遊離Hisを多量に含む水産食品のみならず、広く一般の食品に適用が可能であり、対象とする検出化合物の幅も、公定法の復帰変異試験法より広いことが確かめられた。
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