受容体遺伝子導入細胞を用いたCa動員系とcAMP阻害系のクロストークの研究
Project/Area Number |
05670084
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
正 公枝 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (40201561)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 史和 群馬大学, 内分泌研究所, 助教授 (30142748)
近藤 洋一 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (70008598)
|
Project Period (FY) |
1993 – 1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | CHO細胞 / アデノシン受容体 / ムスカリン受容体 / 遺伝子導入 / ホスホリパーゼC / アデニル酸シクラーゼ / ホスホリパーゼA2 / 百日咳毒素感受性 |
Research Abstract |
我々の最近の研究により、ホスホリパーゼC促進性(Ca動員性)シグナルとアデニル酸シクラーゼ阻害性シグナルを同時に与えると二つの細胞膜情報伝達系の間に相互作用が起こり、アデニル酸シクラーゼ阻害性シグナルによってホスホリパーゼCしたがってCa動員作用が増強されると言う一般的クロストーク機構があるらしいことが明らかになった。本研究は既知の遺伝子を導入、発現させることにより、この機構に関与する受容体その他の分子を同定、解析しようとしたものである。本研究の成果は次のとおりである。 Chinese hamstar ovary細胞(CHO)にA1タイプのアデノシン受容体とタイプ3ムスカリン(M3)受容体の遺伝子cDNAを導入して二つの受容体とカップルした情報伝達系の相互作用を調べた。カルバコールはM3受容体を発現させた細胞でホスホリパーゼCを活性化し、細胞内のCaイオン濃度を上昇させた。アデノシンはA1受容体を発現させた細胞でホルスコリンによるcAMP産生を阻害した。両受容体を発現させた細胞では、アデノシンはアデニル酸シクラーゼを阻害したばかりでなく、カルバコールとともに加えるとホスホリパーゼCの促進作用を示した。更に同じ条件でホスホリパーゼA2によるアラキドン酸生成も促進したが、これらのアデノシン作用は全て百日咳毒素処理により完全に消失した。以上の結果は、元々両受容体をもっている細胞で起こる現象を完全に再現しており、A1タイプのアデノシン受容体という一種類の分子が一種類のG蛋白質を介して3つの効果器酵素とカップルしていることを証明した。 なお、これらのクロストーク機構に関与するG蛋白質の分子種を同定するためにセンス及びアンチセンス遺伝子を導入し安定した効果を示す細胞を得る条件を検討中であるが、なお充分な成果をあげるに至らず現在研究続行中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)