インフルエンザウイルスの感染性を決定する宿主細胞プロテアーゼの発見と作用機序
Project/Area Number |
05670146
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (50144978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 健幸 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (30185243)
唐渡 孝枝 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (60108876)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | インフルエンザウイルス / センダイウイルス / ヘムアググルチニン / トリプターゼクララ / 膜融合蛋白 / 肺サーファクタント |
Research Abstract |
インフルエンザウイルスの細胞側レセプターはシアール酸であるが、ウイルスはシアール酸に結合しただけでは細胞に感染しない。感染するためには、インフルエンザウイルスのヘムアグルチニン蛋白(HA)前駆体が、HA_1とHA_2の二つのサブユニットに限定分解されることが必要である。我々はこれまでにこの限定分解酵素としてトリプターゼクララをラットの気管支粘膜上皮に見出し報告してきた。本年度の研究においては、動物気道内でのトリプターゼクララによるウイルス活性化機構の解析をインフルエンザウイルスに変わるラットでの感染モデルとして、センダイウイルスを用いて詳細に検討した。その結果センダイウイルスが気管支粘膜上皮に結合することにより、気管支粘膜分泌細胞からのトリプターゼクララの分泌を選択的に増加させ、分泌されたトリプターゼクララは気管支粘膜上皮に付着したり、分泌液中に貯留することが明らかとなった。また分泌されたトリプターゼクララを、その抗体で吸収することにより、ウイルス複製は95%以上抑制された。以上のことから、これまで不明であったインフルエンザウイルスやセンダイウイルスの活性化が気管支粘膜の膜上、あるいは気管支腔内でトリプターゼクララによって起きることが判明した。一方気管支粘膜細胞に分泌する分泌液中には、このトリプターゼクララの作用を抑制する物質群が存在し、その一つが肺サーファクタントであることが判明した。今後ウイルスの感染性獲得の引き金となるトリプターゼクララとその抑制物質群との相互作用を解析し、インフルエンザウイルスの感染初期過程の全容を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)