Project/Area Number |
05670161
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 洋一郎 千葉大学, 医学部, 教授 (50009114)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / 早期癌 / 間質浸潤 / 高分化癌 |
Research Abstract |
高分化型早期肝細胞癌(肝癌)にみられる特有な間質浸潤様式streak patternに着目し、その特異性と出現頻度を明らかにし、間質中に存在する癌細胞の増殖能を調べることを本年度の研究計画とした。また、間質浸潤によって門脈域が消失するが、その様相と減少率をあわせ検討した。 多数の肝癌症例の内から20例の小肝癌(径3cm以下)の手術例を選び研究の対象とした。高分化型正索状の形態を示す癌細胞の肝硬変線維性隔壁を場とする間質浸潤streak patternは、高い特異性をもって小型の早期肝癌結節に出現した。これら癌細胞は正常肝細胞の有するreticulin frameをしばしば欠き、診断上有用な所見とみなされた。換言すればこのような特徴を有する肝細胞索が間質内に存在した場合には悪性性格が強く示唆されることとなる。 AgNOR計量による増殖能の検討では、個々の症例間の差が大であったが、同一症例においては、癌実質と硬変部との中間の値を示し、かつ夫々の間に有意差を認めた。即ち間質内へ浸潤した癌細胞の増殖能は、癌実質内よりも抑制される傾向のあることが明らかにされた。 門脈域にも同様な浸潤が生じ、線維成分と共に胆管、動脈、門脈のtriadが崩壊消失する。その減少率は腫瘍径と平行する。また門脈域の残存率は最高で50%に及ばなかった。門脈域の数と、triad崩壊の様相は高分化型肝癌診断上の1指標となることが示された。 これからの検討課題として、間質内癌細胞の機能特性があり、結合織分解酵素と間質浸潤の関連につき免疫組織化学的解析を計画しつつある。
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