神経内分泌の性格を有する肺大細胞癌の転移特性の検討とその臨床応用
Project/Area Number |
05670180
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
笠井 潔 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (70175272)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 肺癌 / 大細胞癌 / 神経内分泌癌 / 転移特性 |
Research Abstract |
large cell neuroendocrine carcinoma(LCNC)由来培養細胞株KTA7,KTS9の制癌剤、放射線感受性やin vitro、in vivoにおける組織親和性を検討した。1)ビンクリスチン、エトポシド、サイクロフォスファミド、シスプラチンの各制癌剤の各々0.001、0.1、0.4、0.2mug/mlの濃度における感受性をclonogenic assayにて判定した。KTA7,KTS9の上記濃度での各制癌剤の感受性は未処理の陰性対照群と比較し、有意な差はなかった。2)KTA7,KTS9,KTZ6の放射線に対する感受性をclono-genic assayにて検討したが、未処理の陰性対照群と比較し、KTA7,KTS9ともに放射線感受性をしめしたが、肺小細胞癌由来培養株(class type)のKTZA6と比較すると、その放射線感受性は低かった。3)LCNC培養株のin vitroにおけるcollagen type IV,Iaminin,fibrkonectinに対する接着性をみたが、KTA7,KTS9ともにこれらの細胞外接着因子の中ではcollagen type IVに軽度接着した。4)ヒト正常組織のアセトン固定パラフィン包埋切片における各培養細胞株の接着性をみた。各正常組織で散在性に結合織のある間質部にKTA7,KTS9が接着したが、臓器特異的な接着態度はみられなかった。5)腫瘍移植動物におけるの増殖態度を組織学的に検討したが、ヌードマウス、SCIDマウスの皮下に生着したLCNCの他臓器への転移はみられなかった。考案:LCNCは肺小細胞癌と同様にhigh grade malignancyであるが、現在までにLCNC由来培養細胞株の制癌剤や放射線に対する感受性は報告されていないが、本研究によりLCNC由来培養細胞株であるKTA7,KTS9はin vitroで、放射線に対する感受性はclassic typeの小細胞癌培養株よりも低く、小細胞癌に有効性のある制癌剤に対する感受性はない事が判明した。従って、LCNCは小細胞癌と同様に高悪性度である上に、小細胞癌にある程度有効な制癌剤や放射線がLCNCに対して効果がない可能性が示唆された。欧米、本邦において、LCNCの生物学的態度、治療に関して充分な基礎的検討を加えた報告はないので、本研究の今後の継続により、LCNCの生物学的態度、治療、腫瘍発生の研究に新しい知見が得られると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)