Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
SCID(severe combined immunodeficiency)マウスの線維芽細胞より樹立した細胞株(SCVA)の放射線高感受性を補正するヒト8番染色体上遺伝子の詳細なマッピングおよびその遺伝子を単離することを目的とした研究を行った。 ヒト8番染色体移入SCVA細胞(SCVA#8)にγ線照射を行い作製したヒト8番染色体に部分的な欠失の認められる細胞クローンについて,ヒト8番染色体特異的コスミドマーカーによるDNA解析と放射線感受性の補正との相関を検索した結果,8p11.1-q11.1の領域にSCVA細胞の放射線高感受性を補正するヒト遺伝子の存在が推定された。そこで,この領域に存在するヒト遺伝子を単離することを目的として,この領域のみを含む放射線感受性の補正された細胞クローン(SC-8-10)からこの領域特異的なコスミドマーカーの分離を試み,新たな16個のマーカーを得た。これらのマーカーについてパルスフィールドゲル電気泳動を用いた制限酵素解析によるlong range restriction mapを作製した結果,この領域の大きさは約4Mb,5つの領域に分類されるコスミドマーカーであることが明らかとなった。次に,この8p11.1-q11.1領域にマップされるコスミドよりエキソントラップ法を用いて,27個のエキソン候補を単離した。サザンブロッド解析,ノーザンブロッド解析,DNA塩基配列の決定およびZooブロッド解析により,有力な候補となる5クローンを得た。これらの候補クローンをプローブとして,ヒト胸腺組織由来およびマウス大腿部骨髄由来のcDNAライブラリーを現在スクリーニング中である。 当初計画にそった詳細な染色体マッピングおよび候補ヒトDNAプローブの単離と予定した研究を実施することができたと考えられ,さらにYACクローンの単離を平行して行い,遺伝子の単離を目指している。
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