Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
わが国に於けるA,B,C,E型肝炎ウイルスの浸淫状況を知る目的での血清疫学を行った。E型肝炎ウイルス以外は対象とする血清、特に肝疾患の既往の有無や環境要因(職業,輸血歴,手術歴)などにより成績が異なるが、これまでの知見と大きく異なることはない。 問題のE型肝炎ウイルス(HEVと略す)の浸淫を予備的に調べた。1.方法はHEV ELISA(Diagnostic Biotechnology Ltd.)のキットで行った。2.被検血清は最も可能性のある肝炎患者(非B,非C型肝炎で、A型肝炎が疑われるがELISAではHAV‐IgM陰性とA型肝炎が否定的な患者)の急性期血清91検体を用いた。3.成績はキットのcut off value 0.5以上の陽性と判定できるものが5検体(5.5%)あった。その他に、4検体はELISAで偽陽性であった。わが国にも少ないがHEVの浸淫は認められるとの結論出来よう。 そこで、HEVのELISA抗原を大量に得るために、中国の広州でのHEVの散発発生例の患者の便、急性期血清などからウイルスの分離やRT‐PCR法を試みた。検体は便4検体,血清5検体を用いた。 現在までの成績は下記の通りである。4.細胞(HEL)を用いてのウイルス分離は未だに不成功である。5.2血清(G‐9,G‐20)からRT‐PCRでHEV(Pakistan株,Xinjing株,Burma株,Mexico株)とかなり共通するOligonucleotide sequenceを認めている(現在解析が終了しているのはNucleotide position 5〓→3〓の4500‐4779のregion)。 その結果、この既知のHEV株間同士のOligonucleotide sequenceのhomologyは高く、またこの2血清間同士のOligonucleotide sequenceのhomologyもきわめて高いが、2血清からのOligonucleotide sequenceと上記の既知のHEVとOligonucleotide sequenceのhomologyはかなりあるが、異なるとこも多い。便(Ko,Lin)からのRT‐PCRは一部に既知のHEVと共通のOligonucleotide sequenceを認めたが、現在再同定中で、未だに大量の抗原を得るところまで至っていない。
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