ヒト肝発癌過程における増殖因子・増殖抑制因子およびそれらの受容体遺伝子発現異常
Project/Area Number |
05670468
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河田 純男 大阪大学, 医学部, 講師 (90183285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 信之 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / TGF-β / HB-EGF / TGF-β受容体 / 増殖因子 / 増殖抑制因子 |
Research Abstract |
肝硬変症から高率に肝細胞癌が発症することが知られており、壊死・再生を繰り返すことが発癌の重要な因子になっていると考えられている。肝細胞の増殖はHGFで代表される増殖因子により促進されるが、一方ではparacrine機序により分泌されるtransforming growth factor β(TGF-β)を中心とする増殖抑制因子により過剰な増殖が生じないように制御されている。 私共は、肝発癌過程において、このような肝細胞増殖の調節機構に破綻が生じることを想定して、増殖因子・増殖抑制因子およびそれらの受容体遺伝子の発現異常について検討した。 〔1〕増殖因子の発現 私共は、最近発見された新種の増殖因子、heparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF)がHGFに勝るとも劣らない強力な肝細胞増殖因子であることを明らかにした(Biochem.Biophys.Res.Commun.198:25-31,1994)。さらにヒト肝癌組織においてHB-EGFmRNAが過剰に発現しており、しかも抗ヒトHB-EGF抗体を用いた免疫組織化学によりHB-EGF蛋白が多量に発現していることを見い出している。現在のところ、HB-EGFがautocrine機序により肝癌細胞の増殖を促進していると推定している。 〔2〕TGF-β受容体の発現 ヒト肝癌組織において、TGF-β typeIおよびtype II受容体の遺伝子発現について検索中であるが、現在まで20症例について検討したが、これら受容体の欠損症例は認められていない。 〔3〕血奬中TGF-β濃度の測定 私共は肝細胞癌患者において、血奬中TGF-βが有意に増加していることを見い出した(Cancer,Vol73,1994,in press)。これはヒト癌患者において血奬TGF-βが増加していることを示した最初の報告である。現在、肝細胞癌患者における血奬TGF-βの増加の意義を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)